コラム / 活用ガイド
営業を AI エージェントで回す
CRM に入力されていない項目を、AI は扱えません。最初に決めるのは入力の分担です。企業・担当者・接点履歴は自動で起票し、人が更新するのは商談と契約のステータスだけにします。リードの発掘から企業調査、文面の下書き、停滞の検知までは AI エージェントの担当です。送信と CRM への書き込みは、人が確認画面で許可します。
- 扱うもの
- リード
- 企業調査
- 営業文面
- 商談と議事録
- パイプライン
ステップ 1オントロジー:出てくるモノと関係
業務に出てくるモノ(エンティティ)と関係を 1 枚にして、AI エージェントに渡します。
この図で答えたい問い
- この会社にはもう連絡したか。除外リストに入っていないか(法人名+ドメインで突き合わせる)
- 14 日以上動いていない商談、同じステータスに 30 日以上とどまっている商談はどれか
- 今期の加重フォーキャストはいくらで、目標に対するカバレッジは何倍か
- 返信があった相手に、次の 1 通が送られる予定のまま残っていないか
- 受注した会社にだけ偏っていて、ICP の資料に書かれていない属性は何か
- この契約は、どの流入元から来た商談か

図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
flowchart TB
SIG["シグナル<br/>原文・URL・観測日・温度"] -.->|"同じ会社か(法人名+ドメイン)"| CO
EXC["除外リスト<br/>既存客・連絡済み・お断り"] -->|"登録時と送信の直前に当てる"| CO
CT["担当者<br/>key: メールアドレス"] -->|"属する"| CO["企業<br/>key: 法人名+ドメイン"]
CO -->|"持つ(複数)"| DEAL["商談<br/>key: 企業+開始日<br/>状態: 7 つのステータス"]
ST["ステータス表<br/>確度・遷移条件"] -->|"定義する"| DEAL
DEAL -->|"持つ(選択式・必須)"| SRC["流入元<br/>チャネル"]
DEAL -->|"失注で必須"| LR["失注理由<br/>選択式"]
DEAL -->|"締結で"| CON["契約<br/>key: 商談+契約日"]
SEQ["シーケンス<br/>反応で分岐・返信で停止"] -->|"送った事実を起票"| TP["接点履歴<br/>key: 担当者+日時+種別"]
CT -->|"起こす"| TP
MIN["議事録<br/>企業へのリレーション必須"] -->|"更新案の根拠"| DEAL
DEAL -->|"確度 × 単価 × 期間"| FC["フォーキャスト<br/>日付付きで保存"]
CON -->|"受注と失注を並べて逆算"| SCORE["リードスコア<br/>重みは設定 1 箇所"]
LR -->|"掘り起こしの材料"| SIGエンティティの一意キーと、商談の状態を表で見る
エンティティと一意キー
| エンティティ | 一意キー(同じ 1 件の見分け方) | 説明 |
|---|---|---|
| 企業 | 法人名+ドメイン | 法人名だけでは表記が揺れるので、ドメインを添えて同じ会社として扱う |
| 担当者 | メールアドレス | 異動で入れ替わるので企業とは別にし、企業に属させる。転職先への紐づけ直しもここで行う |
| 商談 | 企業+開始日 | 1 つの企業に複数できる。ステータス・確度・次アクション・獲得目標月・流入元を持つ |
| 契約 | 商談+契約日 | 月額・期間・更新日。受注した会社の表の元になる |
| 接点履歴 | 担当者+日時+種別 | 面談・送信・反応・議事録へのリンク。自動で起票する |
| 議事録 | 議事録データベースのレコード | 単独のページにせず、企業へのリレーションを必須にする |
| シグナル | 出典 URL(原文・観測日時を付ける) | いま買う理由がある兆し。原文の無い行は載せない |
| シーケンス | 送信ログ(どのシーケンスの何通目か) | 複数通の送信計画。反応の状態は 未開封 / 開封のみ / リンクを開いた / 返信あり / 停止 |
| 流入元 | 選択式の値 | 最初の接点で自動で埋める。自由記述にすると集計できない |
商談の状態
| 状態 | 意味 | この状態に入る条件 |
|---|---|---|
| 未接触 | 確度 0%(一例) | リストに載った。接触前 |
| アポ獲得 | 確度 10%(一例) | 商談の日程が確定した(カレンダーに予定がある) |
| 担当者検討 | 確度 25%(一例) | 提案を提示し、先方社内で検討中 |
| 担当者合意 | 確度 50%(一例) | 担当者が導入の意思を文面か口頭で表明した |
| 決裁者合意 | 確度 90%(一例) | 決裁ラインの合意が取れた(稟議の通過など) |
| 締結 | 確度 100% | 契約書に双方の署名が揃った |
| 保留・失注 | 確度 0% | 先方が見送りを表明した、または人が失注と判断した(理由を選択式で残す) |
AI にさせてよい操作
- AI が行う公開情報からシグナルを拾い、原文・URL・温度付きのリード一覧と返信の下書きを作る
- AI が行うアドレスを検証する(形式 → MX レコード → ラベル。相手には何も送らない)
- AI が行う企業調査・商談前ブリーフ・文面・CRM の更新案を書く(CRM は読み取りだけ)
- AI が行う返信・問い合わせ・送信ログを接点履歴に起票する(外部に出ない書き込み。紐づかないものは「未紐づけ」に置く)
- AI が行う停滞検知・リードスコア・加重予測を決定的なコードで計算し、通知文を下書きする
- 承認してから送信・フォームへの入力・SNS の返信(1 行を 1 回の呼び出しにし、直前に除外リストをもう一度確かめる)
- 承認してから商談ステータス・次アクションを更新する(現在の値 → 新しい値 → 根拠 の差分で呼ぶ)
- 人が行う提案概要を承認し、資料作成に進めるか決める
- 人が行う失注と判断し、理由を選ぶ
ステップ 2業務フローの棚卸し

図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
flowchart TB
subgraph R1[" "]
direction LR
J1["1. リードの発掘(シグナル・公募・失注)<br/>毎日〜週 2 回(定期実行)"] --> A1["定義どおりに拾い、原文・URL・観測日を付ける"]
A1 --> H1["定義を決める。Instagram・TikTok は人が探して記録"]:::human
H1 --> S1["見込み客の検知/公募・入札の巡回"]:::out
end
subgraph R2[" "]
direction LR
J2["2. 重複排除・アドレスの検証<br/>登録のたび"] --> A2["法人名+ドメインで突き合わせ、MX レコードまで確かめる"]
A2 --> H2["除外リストを最新に保つ"]:::human
H2 --> S2["—"]:::out
end
subgraph R3[" "]
direction LR
J3["3. リードスコアと ICP の見直し<br/>重みを変えるとき"] --> A3["受注と失注の表で偏る属性を探す"]
A3 --> H3["重みを決め、日付と理由を残す"]:::human
H3 --> S3["—"]:::out
end
subgraph R4[" "]
direction LR
J4["4. 企業調査・事例<br/>商談・アプローチの前"] --> A4["Web で調べ、事実と評価を分けて書く"]
A4 --> H4["誰が何を売るための調査かを決める"]:::human
H4 --> S4["見込み客の企業調査/事例調査"]:::out
end
subgraph R5[" "]
direction LR
J5["5. 文面の生成と送信<br/>施策のたび"] --> A5["1 行 1 社で書き、根拠の列と要レビューの印を付ける"]
A5 --> H5["要レビューの行を読み、確認画面で送信を許可"]:::human
H5 --> S5["営業文面の一括生成/1 社のアウトリーチ"]:::out
end
subgraph R6[" "]
direction LR
J6["6. フォローアップ<br/>シーケンスの登録時"] --> A6["反応の状態から次の 1 通を決め、返信で止める"]
A6 --> H6["分岐ごとの文面をまとめて確認画面で許可"]:::human
H6 --> S6["1 社のアウトリーチ"]:::out
end
subgraph R7[" "]
direction LR
J7["7. 反応の自動記録<br/>返信・問い合わせのたび"] --> A7["接点履歴に起票し、紐づかないものは未紐づけに置く"]
A7 --> H7["未紐づけの行を振り分ける"]:::human
H7 --> S7["—"]:::out
end
subgraph R8[" "]
direction LR
J8["8. 商談前のブリーフ<br/>商談の前"] --> A8["CRM の経緯と直近 30 日のニュースを 1 画面に"]
A8 --> H8["今回のゴールを決める"]:::human
H8 --> S8["商談前のブリーフ"]:::out
end
subgraph R9[" "]
direction LR
J9["9. 議事録から更新案<br/>商談の後"] --> A9["サマリー・フォロー文面・差分の更新案を作る"]
A9 --> H9["差分を読み、確認画面で書き込みを許可"]:::human
H9 --> S9["商談の後処理"]:::out
end
subgraph R10[" "]
direction LR
J10["10. 提案と見積<br/>提案のたび"] --> A10["調査・事例・骨子を工程ごとに受け渡す"]
A10 --> H10["提案概要を承認する"]:::human
H10 --> S10["提案資料の工程/見積書"]:::out
end
subgraph R11[" "]
direction LR
J11["11. パイプラインの見張り<br/>毎週・毎朝(定期実行)"] --> A11["停滞のフラグと加重予測をコードで出し、朝の 1 通にする"]
A11 --> H11["注力する案件とコミットを決める"]:::human
H11 --> S11["週次のパイプラインレビュー/加重フォーキャスト/毎朝のブリーフィング"]:::out
end
R1 --> R2 --> R3 --> R4 --> R5 --> R6 --> R7 --> R8 --> R9 --> R10 --> R11ステップ 3AI エージェントで回す PDCA

図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
flowchart TB
P["Plan<br/>AI: 受注と失注の表から ICP を逆算し<br/>シグナルの定義とスコアの重みの案を出す"] --> H1["【人】定義と重みを決める"]:::human
H1 --> D1["Do<br/>AI: リードを拾い、重複を除き、調べて<br/>1 行 1 社で文面を書く"]
D1 --> G1("確認画面<br/>宛先と本文を 1 行ずつ"):::gate
G1 -->|"許可"| D2["送信<br/>直前に除外リストをもう一度確かめる"]
G1 -->|"断る"| STOP["AI は別の経路を探さず、報告して止まる"]
D2 --> R["反応を接点履歴に自動で起票<br/>返信があればシーケンスを止める"]
R --> D3["商談<br/>AI: ブリーフを作り、議事録から更新案を出す"]
D3 --> G2("確認画面<br/>CRM の差分"):::gate
G2 -->|"許可"| C["Check<br/>コード: 停滞検知・加重予測<br/>AI: 毎朝の 1 通と週次の一覧"]
C --> H2["【人】注力する案件とコミットを決める"]:::human
H2 --> A["Act<br/>AI: 予測と実績、流入元ごとの件数と金額を並べ<br/>定義と重みの見直し案を出す"]
A --> H3["【人】採るか決める"]:::human
H3 --> P段ごとの分担を表で見る
| 段 | AI がやること | 人が決めること | Skill |
|---|---|---|---|
| Plan(計画) | 受注と失注の表で偏る属性を探し、シグナルの定義とスコアの重みの案を出す | 定義と重みを決め、変えた日と理由を残す | 見込み客の検知 |
| Do(実行) | リードを拾って重複を除き、企業調査・1 行 1 社の文面・商談前ブリーフ・議事録の更新案を作る | 確認画面で送信と CRM の書き込みを 1 件ずつ許可する。提案概要を承認する | 見込み客の企業調査/営業文面の一括生成/商談前のブリーフ/商談の後処理/提案資料の工程 |
| Check(確認) | 停滞のフラグと加重予測をコードで出し、毎朝の 1 通と週次の一覧にまとめる | 注力する案件と、コミットに入れる案件を決める | 週次のパイプラインレビュー/加重フォーキャスト/毎朝のブリーフィング |
| Act(改善) | 前回の予測と実績を比べ、流入元ごとの件数と金額を並べて、定義と重みの見直し案を出す | 採るかどうか決める。失注の判断と理由を選ぶ | 加重フォーキャスト/見込み客の検知 |
ステップ 4Skill の構成

図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
flowchart TB
Q("何を頼まれたか")
Q -->|"見込み客を探して"| SIG["見込み客の検知<br/>入口"]
Q -->|"応募先を探して"| TEN["公募・入札の巡回"]
Q -->|"〇〇を調べて"| BRF["見込み客の企業調査<br/>入口"]
Q -->|"提案資料を作って"| PROP["提案資料の工程<br/>入口"]
Q -->|"パイプラインを見て"| REV["週次の<br/>パイプラインレビュー<br/>入口"]
SIG -->|"1 社の深掘り"| BRF
BRF -->|"事例を集める"| CASE["事例調査"]
BRF -->|"1 社の文面"| ONE["1 社のアウトリーチ"]
BRF -->|"30 社分の文面"| BULK["営業文面の一括生成"]
PROP -->|"工程 1・2"| BRF
PROP -->|"工程 6"| PREP["商談前のブリーフ"]
PREP -->|"商談の後"| SUM["商談の後処理"]
REV -->|"売上の見込み"| FC["加重フォーキャスト"]
REV -->|"毎朝の 1 通"| DAY["毎朝のブリーフィング"]
ONE -->|"送信"| GATE("確認画面<br/>送信・CRM の書き込み"):::gate
BULK -->|"送信"| GATE
SUM -->|"CRM の更新案"| GATE入口見込み客の検知
公開の投稿や情報から「いま探している・困っている」兆しを拾い、根拠付きのリード一覧と返信の下書きを作る
中身を見る
入力
- シグナルの定義(対象・拾う一文・除外・温度の基準・探す場所)
- 前回の成果物
- 人が記録した Instagram・TikTok の表
手順
- 前回のリストを前回の成果物から取り直す。初回は「初回なので突き合わせなし」と書く
- 規約が自動の取得を禁じている面は、人が探して記録した表を読む
- 各行に原文の引用・URL・観測日時・温度・理由 1 行を付ける
- 温度は行動の近さで付ける(日付や期限がある = 高)
- 新着だけを上に出す
返すもの
- リード一覧(新着が上)
- 返信の下書き
守ること
- ゼロ件は正常な結果。ゼロと明言し、定義の広げ方を提案して終わる
- 原文の無い行は載せない。件数を稼ぐために低い温度を高く見せない
- 返信は下書きまで。一斉送信の文面は作らず、企業の公式アカウントとして名乗る
- 定義を変えたら、変えた日と内容を記録する
入口見込み客の企業調査
商談やアプローチの前に、企業・店舗・人物を調べて 1 本のレポートにする。CRM には書き込まない
中身を見る
入力
- 誰が何を売るための調査か
- 相手の会社名と URL
- 件数の上限(既定は Web 検索 10 クエリまで)
手順
- 公式サイトと直近 90 日のニュースを調べる(この手順は必ず成立する)
- 業種別の観点を足す(店舗型なら SNS・予約サイト・口コミ・多言語対応・採用)
- CRM を読み取り専用で検索する。読めなければ Web だけで続け、情報源にそう書く
- SNS の実数は利用者が画面で確認した記録から読む
- 事実と評価を分けて統合する
返すもの
- 要約 3 文以内
- プロフィールと SNS・掲載の状況(表)
- 評価(良い兆候・懸念・不明点)
- 推奨アプローチ(最初に話す相手・最初の話題・質問 3 つ)
- 情報源
守ること
- 取れない項目は「未取得」、見つからないアカウントは「未確認」。「運用していない」と断定しない
- Instagram と TikTok を自動で開かない(規約で禁止)
- 目的が分からなければ 1 回だけ確認する。推測で観点を決めない
営業文面の一括生成
1 行 1 社のデータから、そのまま貼れる営業文面を一括で作る。自分では調べない
中身を見る
入力
- 1 行 1 社の CSV(会社名・業種・経路・区分・宛先・過去の接点・リサーチメモ・出典 URL)
- 承認済みの実績リスト
手順
- 渡されたデータだけで 1 件ずつ書き、構造化された形で返す
- 本文の具体的な内容がどの入力列に由来するかを、根拠の列に書く
- リサーチメモが薄い行は汎用の書き出しにして、要レビューの印を立てる
- 要レビューの行を先頭に寄せ、何を見直すかを備考に書く
返すもの
- 1 行 1 社の出力(件名 3 案・本文・根拠にした入力列・確信度・要レビューの印・備考)
守ること
- 実績は承認済みのリストからだけ。リストに無い数値や固有名は差し戻す
- 本文はプレーンテキスト。偶然を装ったパーソナライズを使わない
- 送信しない。送信の直前に除外リストをもう一度引く
商談前のブリーフ
会社名とミーティングの種別から、CRM の経緯と Web の直近情報を 1 画面のブリーフにする
中身を見る
入力
- 会社名
- ミーティングの種別(初回ヒアリング・提案・交渉・定例)
- 参加者
手順
- CRM を読み取り専用で引き、前回の約束事・未解決の質問・出た反論を拾う
- 業界の正本(ペイン・出典付きの数値・定番の質問)を Web より先に引く
- 直近 30 日のニュースと参加者の公開情報を足す
- 足りない情報は推測で埋めず、商談で確認する質問に変える
返すもの
- 未完了の約束
- 今回のゴール 1 つ
- アジェンダ(時間配分つき)
- 確認する質問 5 つ
- 想定される懸念と具体的な答え方
守ること
- CRM には書き込まない
- 未完了の約束を先頭に出す
- CRM が読めなければ、会社・種別・参加者・背景を聞いて Web だけで作る
商談の後処理
商談のメモや文字起こしから、社内サマリー・顧客向けフォローアップ・CRM の更新案の 3 つを作る
中身を見る
入力
- ラフなメモ
- 文字起こし
手順
- メモを構造化する(出席者・種別・所要時間・論点)
- 決定事項・相手の優先事項・反論と回答・競合への言及を抜く
- アクションを担当者と期日つきで出す。期日が話に出ていなければ「期日未定」
- 提案した内容(プラン・金額・期間)と先方の反応を拾う
- 3 つの成果物を分けて出す
返すもの
- 社内サマリー
- 顧客向けフォローアップ(プレーンテキスト)
- CRM の更新案(現在の値 → 新しい値 → 根拠)
守ること
- CRM には書き込まない。反映は人が確認画面で差分を見て許可する
- ステータスの遷移は案まで。「前向きに検討します」で進めない
- メモに無いことを補わない。顧客向けの文面に社内メモを混ぜない
入口提案資料の工程
与件の把握から資料作成・商談準備までを、工程ごとの Skill に順に受け渡して進める
中身を見る
入力
- 企業名と依頼内容
- CRM の商談と議事録
- 業界の正本
手順
- 与件を把握し、商談のステージからモード(フル・標準・クイック)を提案する
- 企業調査と事例調査をサブエージェントに任せ、結果はファイルで受け取る
- 提案の骨子を作る
- 議事録データベースに提案概要を作り、人の承認を得る
- 原本を複製して資料を作り、見積を添えて商談準備へ渡す
返すもの
- 提案の骨子
- 承認済みの提案概要
- 提案資料と見積
- 商談準備メモ
守ること
- 省略できない工程は企業調査・事例調査・提案概要の承認・資料作成。承認はどのモードでも飛ばさない
- CRM への書き込みはメインの会話で行い、サブエージェントに持たせない
- 原本を直接編集しない。複製の前に、匿名の実績カードに相手自身の実績が無いかを確かめる
- 工程 1 つだけの依頼は、各 Skill を直接使う
入口週次のパイプラインレビュー
開いている商談を 4 つの観点と固定の閾値で見直し、注力する案件・リスク・データの欠け・削除候補を出す
中身を見る
入力
- CRM の商談一覧(読み取り専用。締結・失注は除く)
手順
- 閾値で機械的にフラグを付ける(停滞 14 日・行き詰まり 30 日・期日超過・単線・衛生)
- 成約の近さ・規模・ステージ・活動・リスクの重みで並べる
- ステージ別・成約月別・規模別に集計する
- 推奨する対処と更新案を出す
返すもの
- 今週注力する 5 件(理由 1 行ずつ)
- フラグ別の一覧
- 削除候補(60 日以上反応なし・3 回以上の先送り)
- データの欠け
- 更新案
守ること
- 判定に生成 AI を使わない。閾値は設定の 1 箇所に置き、実行のたびに変えない
- CRM は変更しない。変えたほうがよいものは更新案として並べる
- 金額や日付が空の案件を推測で埋めない
加重フォーキャスト
開いている商談の確度 × 単価 × 期間の加重和で、ベスト・想定・ワーストの予測と目標とのギャップを出す
中身を見る
入力
- CRM の商談一覧(ステータス・月額・契約期間・成約予定)
- 期間の売上目標と締結済みの額
手順
- 失注・保留を除き、ステータス表の確度をそのまま使う
- 3 つのシナリオを出す
- コミットとアップサイドに分ける。コミットは正直に絞る
- ギャップを加速・再活性化・新規パイプラインの 3 つで埋める案にする
- 予測を日付付きで実行環境の外に保存し、前回の予測と実績を比べる
返すもの
- 目標・締結済み・加重・ギャップ・カバレッジのサマリー
- 3 つのシナリオと前提
- コミットとアップサイドの一覧
- 前回予測との差
守ること
- 確度をこの Skill の側で持たない(正本を 2 つにしない)
- 成約予定を過ぎた案件は予測に入れず、週次レビューへ回す
- 金額や期間が空の案件は予測から外し、件数を書く
毎朝のブリーフィング
CRM と議事録から、今日の最優先 1 件・数字・会議の準備・アラート・推奨アクション 3 つを 2 分で読める 1 通にまとめる
中身を見る
入力
- CRM の商談一覧
- 議事録データベースの直近の約束事
- 今日の予定
手順
- 最優先の 1 件を決まった順で選ぶ(確度 90% 以上の会議 → 今月成約予定で未締結 → 期限を過ぎた次アクション → 高額の初期案件で 7 日以上動きなし)
- 停滞は週次レビューと同じ閾値で判定する
- 会議ごとに、会議の前にやることを 1 つ書く
返すもの
- 最優先の 1 件と理由
- 今日の数字
- 要対応のアラート
- 推奨アクション 3 つ
守ること
- 読み取りだけ。CRM を更新しない。送信しない
- データの無いセクションは作らない
- 通知先が無ければ定期実行を有効にしない
CRM の読み書きの分け方
CRM のツールのうち、確認なしで使わせるものは読み取り専用にします。書き込みは別の名前のツールに分けて、確認の対象にします。鍵はサーバー側に置き、エージェントには渡しません。
| 操作 | 経路 | 確認 |
|---|---|---|
| CRM の検索・取得(企業・商談・議事録) | 読み取り専用のツール | 不要 |
| 資料置き場の一覧・本文の書き出し | 読み取り専用のツール | 不要 |
| 接点履歴の自動起票(返信・問い合わせ・送信ログ) | サーバー側の処理(エージェントは触らない) | 不要(外部に出ない) |
| 商談ステータス・次アクションの更新 | 更新のツール。差分を引数にして呼ぶ | 人が確認画面で差分を見て許可する |
| 送信・フォームへの入力・SNS の返信 | 送信のツール。1 行を 1 回の呼び出しにする | 人が確認画面で宛先と本文を見て許可する |
このページは、コラム『マーケティングエンジニアの教科書』の 第 2 章「AI Agent の使いこなし方」・第 10 章「営業活動を自動化する」 をもとにまとめたものです。