コラム / 活用ガイド

営業を AI エージェントで回す

CRM に入力されていない項目を、AI は扱えません。最初に決めるのは入力の分担です。企業・担当者・接点履歴は自動で起票し、人が更新するのは商談と契約のステータスだけにします。リードの発掘から企業調査、文面の下書き、停滞の検知までは AI エージェントの担当です。送信と CRM への書き込みは、人が確認画面で許可します。

  • 扱うもの
  • リード
  • 企業調査
  • 営業文面
  • 商談と議事録
  • パイプライン

ステップ 1オントロジー:出てくるモノと関係

業務に出てくるモノ(エンティティ)と関係を 1 枚にして、AI エージェントに渡します。

この図で答えたい問い

  • この会社にはもう連絡したか。除外リストに入っていないか(法人名+ドメインで突き合わせる)
  • 14 日以上動いていない商談、同じステータスに 30 日以上とどまっている商談はどれか
  • 今期の加重フォーキャストはいくらで、目標に対するカバレッジは何倍か
  • 返信があった相手に、次の 1 通が送られる予定のまま残っていないか
  • 受注した会社にだけ偏っていて、ICP の資料に書かれていない属性は何か
  • この契約は、どの流入元から来た商談か
営業のオントロジーです。教科書 第 10 章の 5 つのエンティティに、同じ章のシグナル・シーケンス・議事録・流入元・スコアを足しています。自動で起票するのは企業・担当者・接点履歴で、人が更新するのは商談と契約のステータスです。点線は同じ会社かもしれない関係を表し、法人名+ドメインで突き合わせてから登録します。
営業のオントロジーです。教科書 第 10 章の 5 つのエンティティに、同じ章のシグナル・シーケンス・議事録・流入元・スコアを足しています。自動で起票するのは企業・担当者・接点履歴で、人が更新するのは商談と契約のステータスです。点線は同じ会社かもしれない関係を表し、法人名+ドメインで突き合わせてから登録します。

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図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
mermaid
flowchart TB
  SIG["シグナル<br/>原文・URL・観測日・温度"] -.->|"同じ会社か(法人名+ドメイン)"| CO
  EXC["除外リスト<br/>既存客・連絡済み・お断り"] -->|"登録時と送信の直前に当てる"| CO
  CT["担当者<br/>key: メールアドレス"] -->|"属する"| CO["企業<br/>key: 法人名+ドメイン"]
  CO -->|"持つ(複数)"| DEAL["商談<br/>key: 企業+開始日<br/>状態: 7 つのステータス"]
  ST["ステータス表<br/>確度・遷移条件"] -->|"定義する"| DEAL
  DEAL -->|"持つ(選択式・必須)"| SRC["流入元<br/>チャネル"]
  DEAL -->|"失注で必須"| LR["失注理由<br/>選択式"]
  DEAL -->|"締結で"| CON["契約<br/>key: 商談+契約日"]
  SEQ["シーケンス<br/>反応で分岐・返信で停止"] -->|"送った事実を起票"| TP["接点履歴<br/>key: 担当者+日時+種別"]
  CT -->|"起こす"| TP
  MIN["議事録<br/>企業へのリレーション必須"] -->|"更新案の根拠"| DEAL
  DEAL -->|"確度 × 単価 × 期間"| FC["フォーキャスト<br/>日付付きで保存"]
  CON -->|"受注と失注を並べて逆算"| SCORE["リードスコア<br/>重みは設定 1 箇所"]
  LR -->|"掘り起こしの材料"| SIG
エンティティの一意キーと、商談の状態を表で見る

エンティティと一意キー

エンティティ一意キー(同じ 1 件の見分け方)説明
企業法人名+ドメイン法人名だけでは表記が揺れるので、ドメインを添えて同じ会社として扱う
担当者メールアドレス異動で入れ替わるので企業とは別にし、企業に属させる。転職先への紐づけ直しもここで行う
商談企業+開始日1 つの企業に複数できる。ステータス・確度・次アクション・獲得目標月・流入元を持つ
契約商談+契約日月額・期間・更新日。受注した会社の表の元になる
接点履歴担当者+日時+種別面談・送信・反応・議事録へのリンク。自動で起票する
議事録議事録データベースのレコード単独のページにせず、企業へのリレーションを必須にする
シグナル出典 URL(原文・観測日時を付ける)いま買う理由がある兆し。原文の無い行は載せない
シーケンス送信ログ(どのシーケンスの何通目か)複数通の送信計画。反応の状態は 未開封 / 開封のみ / リンクを開いた / 返信あり / 停止
流入元選択式の値最初の接点で自動で埋める。自由記述にすると集計できない

商談の状態

状態意味この状態に入る条件
未接触確度 0%(一例)リストに載った。接触前
アポ獲得確度 10%(一例)商談の日程が確定した(カレンダーに予定がある)
担当者検討確度 25%(一例)提案を提示し、先方社内で検討中
担当者合意確度 50%(一例)担当者が導入の意思を文面か口頭で表明した
決裁者合意確度 90%(一例)決裁ラインの合意が取れた(稟議の通過など)
締結確度 100%契約書に双方の署名が揃った
保留・失注確度 0%先方が見送りを表明した、または人が失注と判断した(理由を選択式で残す)

AI にさせてよい操作

  • AI が行う公開情報からシグナルを拾い、原文・URL・温度付きのリード一覧と返信の下書きを作る
  • AI が行うアドレスを検証する(形式 → MX レコード → ラベル。相手には何も送らない)
  • AI が行う企業調査・商談前ブリーフ・文面・CRM の更新案を書く(CRM は読み取りだけ)
  • AI が行う返信・問い合わせ・送信ログを接点履歴に起票する(外部に出ない書き込み。紐づかないものは「未紐づけ」に置く)
  • AI が行う停滞検知・リードスコア・加重予測を決定的なコードで計算し、通知文を下書きする
  • 承認してから送信・フォームへの入力・SNS の返信(1 行を 1 回の呼び出しにし、直前に除外リストをもう一度確かめる)
  • 承認してから商談ステータス・次アクションを更新する(現在の値 → 新しい値 → 根拠 の差分で呼ぶ)
  • 人が行う提案概要を承認し、資料作成に進めるか決める
  • 人が行う失注と判断し、理由を選ぶ

ステップ 2業務フローの棚卸し

左から、業務と頻度 → AI エージェントがやること → 人が決めること(黒) → 使う Skill(点線)。 外に出る操作は、文面の送信と CRM の書き込みの 2 つです。AI はどちらも案までを作り、実行は人が確認画面で決めます。
左から、業務と頻度 → AI エージェントがやること → 人が決めること(黒) → 使う Skill(点線)。 外に出る操作は、文面の送信と CRM の書き込みの 2 つです。AI はどちらも案までを作り、実行は人が確認画面で決めます。

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mermaid
flowchart TB
  subgraph R1[" "]
    direction LR
    J1["1. リードの発掘(シグナル・公募・失注)<br/>毎日〜週 2 回(定期実行)"] --> A1["定義どおりに拾い、原文・URL・観測日を付ける"]
    A1 --> H1["定義を決める。Instagram・TikTok は人が探して記録"]:::human
    H1 --> S1["見込み客の検知/公募・入札の巡回"]:::out
  end
  subgraph R2[" "]
    direction LR
    J2["2. 重複排除・アドレスの検証<br/>登録のたび"] --> A2["法人名+ドメインで突き合わせ、MX レコードまで確かめる"]
    A2 --> H2["除外リストを最新に保つ"]:::human
    H2 --> S2["—"]:::out
  end
  subgraph R3[" "]
    direction LR
    J3["3. リードスコアと ICP の見直し<br/>重みを変えるとき"] --> A3["受注と失注の表で偏る属性を探す"]
    A3 --> H3["重みを決め、日付と理由を残す"]:::human
    H3 --> S3["—"]:::out
  end
  subgraph R4[" "]
    direction LR
    J4["4. 企業調査・事例<br/>商談・アプローチの前"] --> A4["Web で調べ、事実と評価を分けて書く"]
    A4 --> H4["誰が何を売るための調査かを決める"]:::human
    H4 --> S4["見込み客の企業調査/事例調査"]:::out
  end
  subgraph R5[" "]
    direction LR
    J5["5. 文面の生成と送信<br/>施策のたび"] --> A5["1 行 1 社で書き、根拠の列と要レビューの印を付ける"]
    A5 --> H5["要レビューの行を読み、確認画面で送信を許可"]:::human
    H5 --> S5["営業文面の一括生成/1 社のアウトリーチ"]:::out
  end
  subgraph R6[" "]
    direction LR
    J6["6. フォローアップ<br/>シーケンスの登録時"] --> A6["反応の状態から次の 1 通を決め、返信で止める"]
    A6 --> H6["分岐ごとの文面をまとめて確認画面で許可"]:::human
    H6 --> S6["1 社のアウトリーチ"]:::out
  end
  subgraph R7[" "]
    direction LR
    J7["7. 反応の自動記録<br/>返信・問い合わせのたび"] --> A7["接点履歴に起票し、紐づかないものは未紐づけに置く"]
    A7 --> H7["未紐づけの行を振り分ける"]:::human
    H7 --> S7["—"]:::out
  end
  subgraph R8[" "]
    direction LR
    J8["8. 商談前のブリーフ<br/>商談の前"] --> A8["CRM の経緯と直近 30 日のニュースを 1 画面に"]
    A8 --> H8["今回のゴールを決める"]:::human
    H8 --> S8["商談前のブリーフ"]:::out
  end
  subgraph R9[" "]
    direction LR
    J9["9. 議事録から更新案<br/>商談の後"] --> A9["サマリー・フォロー文面・差分の更新案を作る"]
    A9 --> H9["差分を読み、確認画面で書き込みを許可"]:::human
    H9 --> S9["商談の後処理"]:::out
  end
  subgraph R10[" "]
    direction LR
    J10["10. 提案と見積<br/>提案のたび"] --> A10["調査・事例・骨子を工程ごとに受け渡す"]
    A10 --> H10["提案概要を承認する"]:::human
    H10 --> S10["提案資料の工程/見積書"]:::out
  end
  subgraph R11[" "]
    direction LR
    J11["11. パイプラインの見張り<br/>毎週・毎朝(定期実行)"] --> A11["停滞のフラグと加重予測をコードで出し、朝の 1 通にする"]
    A11 --> H11["注力する案件とコミットを決める"]:::human
    H11 --> S11["週次のパイプラインレビュー/加重フォーキャスト/毎朝のブリーフィング"]:::out
  end
  R1 --> R2 --> R3 --> R4 --> R5 --> R6 --> R7 --> R8 --> R9 --> R10 --> R11

ステップ 3AI エージェントで回す PDCA

黒い箱は人が決めるところ、オレンジの箱は承認を通るところ。ほかは AI エージェントが進めます。 確認画面を通るのは、送信と CRM への書き込みの 2 か所です。停滞の判定と予測の計算は、生成 AI に任せません。同じ入力なら同じ結果が出るコードで計算します。
黒い箱は人が決めるところ、オレンジの箱は承認を通るところ。ほかは AI エージェントが進めます。 確認画面を通るのは、送信と CRM への書き込みの 2 か所です。停滞の判定と予測の計算は、生成 AI に任せません。同じ入力なら同じ結果が出るコードで計算します。

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mermaid
flowchart TB
  P["Plan<br/>AI: 受注と失注の表から ICP を逆算し<br/>シグナルの定義とスコアの重みの案を出す"] --> H1["【人】定義と重みを決める"]:::human
  H1 --> D1["Do<br/>AI: リードを拾い、重複を除き、調べて<br/>1 行 1 社で文面を書く"]
  D1 --> G1("確認画面<br/>宛先と本文を 1 行ずつ"):::gate
  G1 -->|"許可"| D2["送信<br/>直前に除外リストをもう一度確かめる"]
  G1 -->|"断る"| STOP["AI は別の経路を探さず、報告して止まる"]
  D2 --> R["反応を接点履歴に自動で起票<br/>返信があればシーケンスを止める"]
  R --> D3["商談<br/>AI: ブリーフを作り、議事録から更新案を出す"]
  D3 --> G2("確認画面<br/>CRM の差分"):::gate
  G2 -->|"許可"| C["Check<br/>コード: 停滞検知・加重予測<br/>AI: 毎朝の 1 通と週次の一覧"]
  C --> H2["【人】注力する案件とコミットを決める"]:::human
  H2 --> A["Act<br/>AI: 予測と実績、流入元ごとの件数と金額を並べ<br/>定義と重みの見直し案を出す"]
  A --> H3["【人】採るか決める"]:::human
  H3 --> P
段ごとの分担を表で見る
段AI がやること人が決めることSkill
Plan(計画)受注と失注の表で偏る属性を探し、シグナルの定義とスコアの重みの案を出す定義と重みを決め、変えた日と理由を残す見込み客の検知
Do(実行)リードを拾って重複を除き、企業調査・1 行 1 社の文面・商談前ブリーフ・議事録の更新案を作る確認画面で送信と CRM の書き込みを 1 件ずつ許可する。提案概要を承認する見込み客の企業調査/営業文面の一括生成/商談前のブリーフ/商談の後処理/提案資料の工程
Check(確認)停滞のフラグと加重予測をコードで出し、毎朝の 1 通と週次の一覧にまとめる注力する案件と、コミットに入れる案件を決める週次のパイプラインレビュー/加重フォーキャスト/毎朝のブリーフィング
Act(改善)前回の予測と実績を比べ、流入元ごとの件数と金額を並べて、定義と重みの見直し案を出す採るかどうか決める。失注の判断と理由を選ぶ加重フォーキャスト/見込み客の検知

ステップ 4Skill の構成

入口の Skill が依頼を受けて、工程ごとの Skill へ振り分けます。矢印の文字は振り分ける条件。 どの Skill も「調べて書くところまで」を受け持ち、送信と CRM の書き込みの機能は持ちません。定期実行の Skill には確認画面に答える人がいないため、読み取りと下書きまでで止めます。
入口の Skill が依頼を受けて、工程ごとの Skill へ振り分けます。矢印の文字は振り分ける条件。 どの Skill も「調べて書くところまで」を受け持ち、送信と CRM の書き込みの機能は持ちません。定期実行の Skill には確認画面に答える人がいないため、読み取りと下書きまでで止めます。

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mermaid
flowchart TB
  Q("何を頼まれたか")
  Q -->|"見込み客を探して"| SIG["見込み客の検知<br/>入口"]
  Q -->|"応募先を探して"| TEN["公募・入札の巡回"]
  Q -->|"〇〇を調べて"| BRF["見込み客の企業調査<br/>入口"]
  Q -->|"提案資料を作って"| PROP["提案資料の工程<br/>入口"]
  Q -->|"パイプラインを見て"| REV["週次の<br/>パイプラインレビュー<br/>入口"]
  SIG -->|"1 社の深掘り"| BRF
  BRF -->|"事例を集める"| CASE["事例調査"]
  BRF -->|"1 社の文面"| ONE["1 社のアウトリーチ"]
  BRF -->|"30 社分の文面"| BULK["営業文面の一括生成"]
  PROP -->|"工程 1・2"| BRF
  PROP -->|"工程 6"| PREP["商談前のブリーフ"]
  PREP -->|"商談の後"| SUM["商談の後処理"]
  REV -->|"売上の見込み"| FC["加重フォーキャスト"]
  REV -->|"毎朝の 1 通"| DAY["毎朝のブリーフィング"]
  ONE -->|"送信"| GATE("確認画面<br/>送信・CRM の書き込み"):::gate
  BULK -->|"送信"| GATE
  SUM -->|"CRM の更新案"| GATE
  • 入口見込み客の検知

    公開の投稿や情報から「いま探している・困っている」兆しを拾い、根拠付きのリード一覧と返信の下書きを作る

    中身を見る

    入力

    • シグナルの定義(対象・拾う一文・除外・温度の基準・探す場所)
    • 前回の成果物
    • 人が記録した Instagram・TikTok の表

    手順

    1. 前回のリストを前回の成果物から取り直す。初回は「初回なので突き合わせなし」と書く
    2. 規約が自動の取得を禁じている面は、人が探して記録した表を読む
    3. 各行に原文の引用・URL・観測日時・温度・理由 1 行を付ける
    4. 温度は行動の近さで付ける(日付や期限がある = 高)
    5. 新着だけを上に出す

    返すもの

    • リード一覧(新着が上)
    • 返信の下書き

    守ること

    • ゼロ件は正常な結果。ゼロと明言し、定義の広げ方を提案して終わる
    • 原文の無い行は載せない。件数を稼ぐために低い温度を高く見せない
    • 返信は下書きまで。一斉送信の文面は作らず、企業の公式アカウントとして名乗る
    • 定義を変えたら、変えた日と内容を記録する
  • 入口見込み客の企業調査

    商談やアプローチの前に、企業・店舗・人物を調べて 1 本のレポートにする。CRM には書き込まない

    中身を見る

    入力

    • 誰が何を売るための調査か
    • 相手の会社名と URL
    • 件数の上限(既定は Web 検索 10 クエリまで)

    手順

    1. 公式サイトと直近 90 日のニュースを調べる(この手順は必ず成立する)
    2. 業種別の観点を足す(店舗型なら SNS・予約サイト・口コミ・多言語対応・採用)
    3. CRM を読み取り専用で検索する。読めなければ Web だけで続け、情報源にそう書く
    4. SNS の実数は利用者が画面で確認した記録から読む
    5. 事実と評価を分けて統合する

    返すもの

    • 要約 3 文以内
    • プロフィールと SNS・掲載の状況(表)
    • 評価(良い兆候・懸念・不明点)
    • 推奨アプローチ(最初に話す相手・最初の話題・質問 3 つ)
    • 情報源

    守ること

    • 取れない項目は「未取得」、見つからないアカウントは「未確認」。「運用していない」と断定しない
    • Instagram と TikTok を自動で開かない(規約で禁止)
    • 目的が分からなければ 1 回だけ確認する。推測で観点を決めない
  • 営業文面の一括生成

    1 行 1 社のデータから、そのまま貼れる営業文面を一括で作る。自分では調べない

    中身を見る

    入力

    • 1 行 1 社の CSV(会社名・業種・経路・区分・宛先・過去の接点・リサーチメモ・出典 URL)
    • 承認済みの実績リスト

    手順

    1. 渡されたデータだけで 1 件ずつ書き、構造化された形で返す
    2. 本文の具体的な内容がどの入力列に由来するかを、根拠の列に書く
    3. リサーチメモが薄い行は汎用の書き出しにして、要レビューの印を立てる
    4. 要レビューの行を先頭に寄せ、何を見直すかを備考に書く

    返すもの

    • 1 行 1 社の出力(件名 3 案・本文・根拠にした入力列・確信度・要レビューの印・備考)

    守ること

    • 実績は承認済みのリストからだけ。リストに無い数値や固有名は差し戻す
    • 本文はプレーンテキスト。偶然を装ったパーソナライズを使わない
    • 送信しない。送信の直前に除外リストをもう一度引く
  • 商談前のブリーフ

    会社名とミーティングの種別から、CRM の経緯と Web の直近情報を 1 画面のブリーフにする

    中身を見る

    入力

    • 会社名
    • ミーティングの種別(初回ヒアリング・提案・交渉・定例)
    • 参加者

    手順

    1. CRM を読み取り専用で引き、前回の約束事・未解決の質問・出た反論を拾う
    2. 業界の正本(ペイン・出典付きの数値・定番の質問)を Web より先に引く
    3. 直近 30 日のニュースと参加者の公開情報を足す
    4. 足りない情報は推測で埋めず、商談で確認する質問に変える

    返すもの

    • 未完了の約束
    • 今回のゴール 1 つ
    • アジェンダ(時間配分つき)
    • 確認する質問 5 つ
    • 想定される懸念と具体的な答え方

    守ること

    • CRM には書き込まない
    • 未完了の約束を先頭に出す
    • CRM が読めなければ、会社・種別・参加者・背景を聞いて Web だけで作る
  • 商談の後処理

    商談のメモや文字起こしから、社内サマリー・顧客向けフォローアップ・CRM の更新案の 3 つを作る

    中身を見る

    入力

    • ラフなメモ
    • 文字起こし

    手順

    1. メモを構造化する(出席者・種別・所要時間・論点)
    2. 決定事項・相手の優先事項・反論と回答・競合への言及を抜く
    3. アクションを担当者と期日つきで出す。期日が話に出ていなければ「期日未定」
    4. 提案した内容(プラン・金額・期間)と先方の反応を拾う
    5. 3 つの成果物を分けて出す

    返すもの

    • 社内サマリー
    • 顧客向けフォローアップ(プレーンテキスト)
    • CRM の更新案(現在の値 → 新しい値 → 根拠)

    守ること

    • CRM には書き込まない。反映は人が確認画面で差分を見て許可する
    • ステータスの遷移は案まで。「前向きに検討します」で進めない
    • メモに無いことを補わない。顧客向けの文面に社内メモを混ぜない
  • 入口提案資料の工程

    与件の把握から資料作成・商談準備までを、工程ごとの Skill に順に受け渡して進める

    中身を見る

    入力

    • 企業名と依頼内容
    • CRM の商談と議事録
    • 業界の正本

    手順

    1. 与件を把握し、商談のステージからモード(フル・標準・クイック)を提案する
    2. 企業調査と事例調査をサブエージェントに任せ、結果はファイルで受け取る
    3. 提案の骨子を作る
    4. 議事録データベースに提案概要を作り、人の承認を得る
    5. 原本を複製して資料を作り、見積を添えて商談準備へ渡す

    返すもの

    • 提案の骨子
    • 承認済みの提案概要
    • 提案資料と見積
    • 商談準備メモ

    守ること

    • 省略できない工程は企業調査・事例調査・提案概要の承認・資料作成。承認はどのモードでも飛ばさない
    • CRM への書き込みはメインの会話で行い、サブエージェントに持たせない
    • 原本を直接編集しない。複製の前に、匿名の実績カードに相手自身の実績が無いかを確かめる
    • 工程 1 つだけの依頼は、各 Skill を直接使う
  • 入口週次のパイプラインレビュー

    開いている商談を 4 つの観点と固定の閾値で見直し、注力する案件・リスク・データの欠け・削除候補を出す

    中身を見る

    入力

    • CRM の商談一覧(読み取り専用。締結・失注は除く)

    手順

    1. 閾値で機械的にフラグを付ける(停滞 14 日・行き詰まり 30 日・期日超過・単線・衛生)
    2. 成約の近さ・規模・ステージ・活動・リスクの重みで並べる
    3. ステージ別・成約月別・規模別に集計する
    4. 推奨する対処と更新案を出す

    返すもの

    • 今週注力する 5 件(理由 1 行ずつ)
    • フラグ別の一覧
    • 削除候補(60 日以上反応なし・3 回以上の先送り)
    • データの欠け
    • 更新案

    守ること

    • 判定に生成 AI を使わない。閾値は設定の 1 箇所に置き、実行のたびに変えない
    • CRM は変更しない。変えたほうがよいものは更新案として並べる
    • 金額や日付が空の案件を推測で埋めない
  • 加重フォーキャスト

    開いている商談の確度 × 単価 × 期間の加重和で、ベスト・想定・ワーストの予測と目標とのギャップを出す

    中身を見る

    入力

    • CRM の商談一覧(ステータス・月額・契約期間・成約予定)
    • 期間の売上目標と締結済みの額

    手順

    1. 失注・保留を除き、ステータス表の確度をそのまま使う
    2. 3 つのシナリオを出す
    3. コミットとアップサイドに分ける。コミットは正直に絞る
    4. ギャップを加速・再活性化・新規パイプラインの 3 つで埋める案にする
    5. 予測を日付付きで実行環境の外に保存し、前回の予測と実績を比べる

    返すもの

    • 目標・締結済み・加重・ギャップ・カバレッジのサマリー
    • 3 つのシナリオと前提
    • コミットとアップサイドの一覧
    • 前回予測との差

    守ること

    • 確度をこの Skill の側で持たない(正本を 2 つにしない)
    • 成約予定を過ぎた案件は予測に入れず、週次レビューへ回す
    • 金額や期間が空の案件は予測から外し、件数を書く
  • 毎朝のブリーフィング

    CRM と議事録から、今日の最優先 1 件・数字・会議の準備・アラート・推奨アクション 3 つを 2 分で読める 1 通にまとめる

    中身を見る

    入力

    • CRM の商談一覧
    • 議事録データベースの直近の約束事
    • 今日の予定

    手順

    1. 最優先の 1 件を決まった順で選ぶ(確度 90% 以上の会議 → 今月成約予定で未締結 → 期限を過ぎた次アクション → 高額の初期案件で 7 日以上動きなし)
    2. 停滞は週次レビューと同じ閾値で判定する
    3. 会議ごとに、会議の前にやることを 1 つ書く

    返すもの

    • 最優先の 1 件と理由
    • 今日の数字
    • 要対応のアラート
    • 推奨アクション 3 つ

    守ること

    • 読み取りだけ。CRM を更新しない。送信しない
    • データの無いセクションは作らない
    • 通知先が無ければ定期実行を有効にしない

CRM の読み書きの分け方

CRM のツールのうち、確認なしで使わせるものは読み取り専用にします。書き込みは別の名前のツールに分けて、確認の対象にします。鍵はサーバー側に置き、エージェントには渡しません。

操作経路確認
CRM の検索・取得(企業・商談・議事録)読み取り専用のツール不要
資料置き場の一覧・本文の書き出し読み取り専用のツール不要
接点履歴の自動起票(返信・問い合わせ・送信ログ)サーバー側の処理(エージェントは触らない)不要(外部に出ない)
商談ステータス・次アクションの更新更新のツール。差分を引数にして呼ぶ人が確認画面で差分を見て許可する
送信・フォームへの入力・SNS の返信送信のツール。1 行を 1 回の呼び出しにする人が確認画面で宛先と本文を見て許可する

このページは、コラム『マーケティングエンジニアの教科書』の 第 2 章「AI Agent の使いこなし方」・第 10 章「営業活動を自動化する」 をもとにまとめたものです。