コラム / 活用ガイド

戦略・調査を AI エージェントで回す

戦略を AI エージェントに考えてもらうとき、最初に渡すのは分析の枠組みではありません。自社が何者かを書いたブランドナレッジです。前提に AI の推測が混ざると、その後の成果物はどれも、推測を事実として扱ってしまいます。調べられることは先に調べさせ、確認できない項目は空欄のまま人に返させ、数字には出典を付けさせましょう。勝つ条件を採るかどうかと、実験の成功と中止の条件は、始める前に人が決めます。

  • 扱うもの
  • 自社のサイト
  • 公開情報・統計
  • 競合のサイト・広告ライブラリ
  • 口コミ・言及
  • アンケート
  • 各チャネルの実績

ステップ 1オントロジー:出てくるモノと関係

業務に出てくるモノ(エンティティ)と関係を 1 枚にして、AI エージェントに渡します。

この図で答えたい問い

  • 顧客が求めていて、競合が満たせておらず、自社なら応えられること(KSF)は何か
  • この数字の出典・使ったデータ・公表日・URL は何か
  • 競合は 5 つの階層のどこにいて、まだ誰も応えていない空白はどれか
  • 今回狙う関心度の層はどれで、比べる媒体の候補はどれか
  • この実験の成功と中止の条件は、始める前に何と書いたか
  • 前回の観測から競合の何が変わったか(見なかった項目と取れなかった項目を分けて)
  • 今月、判定が △ か ✕ のチャネルはどれで、未取得のチャネルはどれか
戦略・調査のオントロジー。上段の調査(出典・競合・言及)から空白と KSF が生まれ、KSF から訴求・媒体・実験へ進みます。結果は定例レポートにチャネルごとに並べます。点線は名寄せです。表記ゆれのある言及を、同じブランドとみなすかどうかを表します。教科書 第 3 章の 3C・媒体選定・実験・定点監視の節から描き、検証計画から定例レポートへの矢印だけを補いました。
戦略・調査のオントロジー。上段の調査(出典・競合・言及)から空白と KSF が生まれ、KSF から訴求・媒体・実験へ進みます。結果は定例レポートにチャネルごとに並べます。点線は名寄せです。表記ゆれのある言及を、同じブランドとみなすかどうかを表します。教科書 第 3 章の 3C・媒体選定・実験・定点監視の節から描き、検証計画から定例レポートへの矢印だけを補いました。

図を原寸で開く

図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
mermaid
flowchart TB
  BRAND["ブランドナレッジ<br/>事業・主要ターゲット・強み・トンマナ<br/>確認できない項目は空欄"]
  SRC["出典<br/>key: URL × 公表日<br/>一次情報 / 二次情報"]
  SEG["顧客セグメント<br/>2〜3 の人物像・KBF"]
  COMP["競合<br/>直接 / EC / チャネル代替 /<br/>顧客側プラットフォーム / 個人発信者"]
  MEN["言及・口コミ<br/>key: チャネル × 投稿"]
  SNAP["スナップショット<br/>key: 対象 × 取得日"]
  DIFF["差分<br/>要対応 / 経過観察 / 活用できる"]
  WS["空白<br/>key: 番号"]
  KSF["KSF 候補<br/>3〜5 個<br/>優先 / 後回し / 捨てる"]
  APP["訴求設計<br/>WHO / WHAT / WHY / HOW"]
  MED["媒体の候補<br/>2〜4 個・狙う層は 1 つ"]
  PLAN["検証計画<br/>同じ素材・同じ金額・同じ期間<br/>撤退ライン"]
  EXP["実験<br/>key: 計画シート<br/>勝ち / 負け / まだ分からない"]
  REP["定例レポート<br/>チャネルごとに ◎○△✕・合計しない"]
  SRC -->|"裏づける"| SEG
  SRC -->|"裏づける"| COMP
  COMP -->|"空白を生む"| WS
  COMP -->|"定点で取る"| SNAP
  MEN -.->|"同じブランドか<br/>表記ゆれ・略称・旧店名"| BRAND
  MEN -->|"定点で取る"| SNAP
  SNAP -->|"前回と比べて生む"| DIFF
  DIFF -->|"繰り返される不満を足す"| WS
  WS -->|"候補を起こす"| KSF
  SEG -->|"KBF が材料になる"| KSF
  BRAND -->|"自社の強みが材料になる"| KSF
  KSF -->|"優先したものが起こす"| APP
  APP -->|"層と候補を絞る"| MED
  MED -->|"比べる計画を起こす"| PLAN
  APP -->|"打ち手を確かめる"| EXP
  PLAN -->|"結果が材料になる"| REP
  EXP -->|"判定をそのまま引用する"| REP
エンティティの一意キーと、実験の状態を表で見る

エンティティと一意キー

エンティティ一意キー(同じ 1 件の見分け方)説明
ブランドナレッジ事業(1 案件に 1 つ)何者か。サイトに書いてあることだけで作る。どう動いてほしいかはカスタム指示として別に持つ
出典URL × 公表日数字と表に必ず付ける。辿れない数字は使わず「未取得」と書く
顧客セグメント人物像の名前2〜3 に分け、予約や購入で重視する理由(KBF)を重要な順に並べる
競合社名・発信者名直接競合だけでなく 5 階層で見る。主要競合は 3〜5 社
空白番号誰も応えていない領域。番号を付け、1 つずつ採否を決める
KSF 候補候補の名前経営課題への直結度・空白の大きさ・自社のアセットとの相性の 3 つで絞る
訴求設計人物像 × 訴求軸誰に・何を・なぜ(なぜ今まで利用しなかったか)・どう
媒体の候補媒体名狙う関心度の層を 1 つ決めてから 2〜4 個に絞る
実験計画シート仮説・見る数字・悪くしてはいけない数字・成功と中止の条件・判定する日
スナップショット対象 × 取得日前回の観測結果。作業のたびに消えない場所に保存する
定例レポート期間チャネルごとの判定を並べた表と、次回のための数値表

実験の状態

状態意味この状態に入る条件
計画中仮説・見る数字・成功と中止の条件・判定する日を書いている案に点を付け、試す案を選んだとき
確認待ち計画シートができ、人の確認を待っている計画シートを書き終え、一度止まったとき
実施中公開して数字を集めている人が計画シートを確かめ、公開したとき
まだ分からない案ごとの件数が、計画シートで決めた数に届いていない判定する日に件数が足りないとき
勝ち始める前に決めた成功の条件を満たした判定を計算で行い、条件を満たしたとき。型として一覧に入れる
負け成功の条件を満たさなかった判定を計算で行い、条件を満たさなかったとき。記録から消さない

AI にさせてよい操作

  • AI が行うサイト・公開情報・統計・競合のサイトを調べ、出典つきで記録する
  • AI が行うブランドナレッジ・3C・KSF・訴求設計・媒体の候補の案を作る
  • AI が行う計画シートと検証計画(撤退ラインを含む)の下書きを作る
  • AI が行う定点観測の収集、件数の集計(コードで行う)、差分と要対応の判定
  • AI が行うトレンドに便乗してよいかを判定し、投稿案を作る
  • 人が行う広告ライブラリを開いて記録表を埋める
  • 承認してから検証のための広告の作成・配信の開始、投稿
  • 人が行うKSF の採否・狙う層・成功と中止の条件・撤退ライン・予算の配分を決める
  • 人が行う表記ゆれの一覧を確定する

ステップ 2業務フローの棚卸し

左から、業務と頻度 → AI エージェントがやること → 人が決めること(黒) → 使う Skill(点線)。 定点観測・ブランドリスニング・定例レポートは定期実行に載せられます。載せる前に通知先を決めておき、AI に任せるのは下書きまでにとどめます。
左から、業務と頻度 → AI エージェントがやること → 人が決めること(黒) → 使う Skill(点線)。 定点観測・ブランドリスニング・定例レポートは定期実行に載せられます。載せる前に通知先を決めておき、AI に任せるのは下書きまでにとどめます。

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図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
mermaid
flowchart TB
  subgraph R1[" "]
    direction LR
    J1["1. ブランドナレッジを作る<br/>最初に 1 回"] --> A1["サイトを読み、事業・ターゲット・強み・トンマナを 1 文ずつ書く"]
    A1 --> H1["空欄を埋める、カスタム指示を書く"]:::human
    H1 --> S1["URL からブランドナレッジを作る"]:::out
  end
  subgraph R2[" "]
    direction LR
    J2["2. 3C 分析と訴求設計<br/>案件の開始時"] --> A2["調べてから質問し、KSF と WHO/WHAT/WHY/HOW まで落とす"]
    A2 --> H2["目的と読み手、KSF の採否"]:::human
    H2 --> S2["市場・競合・自社の整理"]:::out
  end
  subgraph R3[" "]
    direction LR
    J3["3. アンケートの分析<br/>調査のたび"] --> A3["自由記述にテーマ・感情のタグを付け、集計はコードで行う"]
    A3 --> H3["分析の軸"]:::human
    H3 --> S3["—"]:::out
  end
  subgraph R4[" "]
    direction LR
    J4["4. ペルソナの仮説検証<br/>企画のたび"] --> A4["合成ペルソナに、企画やコピーへの反応を一人称で答えさせる"]
    A4 --> H4["社内の行動データで確かめる"]:::human
    H4 --> S4["—"]:::out
  end
  subgraph R5[" "]
    direction LR
    J5["5. 媒体の選定<br/>打ち手を決めるとき"] --> A5["狙う層を 1 つに決め、候補を 2〜4 個に絞り、比べる計画を書く"]
    A5 --> H5["予算、撤退ライン、配信の許可"]:::human
    H5 --> S5["媒体を選ぶ"]:::out
  end
  subgraph R6[" "]
    direction LR
    J6["6. 競合の定点観測<br/>毎週か毎月"] --> A6["固定した 6 項目を同じ取り方で取り、前回との差分を出す"]
    A6 --> H6["対応するか"]:::human
    H6 --> S6["—"]:::out
  end
  subgraph R7[" "]
    direction LR
    J7["7. 競合の広告の調査<br/>定点観測のたび"] --> A7["広告主ごとの検索 URL と空欄の記録表を用意し、埋まった表を集計する"]
    A7 --> H7["広告ライブラリを開いて記録する"]:::human
    H7 --> S7["—"]:::out
  end
  subgraph R8[" "]
    direction LR
    J8["8. ブランドリスニング<br/>毎週(キャンペーン中は毎日)"] --> A8["表記ゆれで検索し、件数はコードで数え、要対応を分ける"]
    A8 --> H8["要対応への対応"]:::human
    H8 --> S8["ブランドリスニング"]:::out
  end
  subgraph R9[" "]
    direction LR
    J9["9. トレンド便乗<br/>話題を見るとき"] --> A9["公開の面から話題を拾い、便乗してよいかを判定して投稿案にする"]
    A9 --> H9["投稿するか"]:::human
    H9 --> S9["トレンド便乗"]:::out
  end
  subgraph R10[" "]
    direction LR
    J10["10. 実験(A/B テスト)<br/>打ち手ごと"] --> A10["案出し・計画シートの記入・判定する日の集計と判定"]
    A10 --> H10["計画シートの確認、公開"]:::human
    H10 --> S10["実験で打ち手を確かめる"]:::out
  end
  subgraph R11[" "]
    direction LR
    J11["11. 定例レポート<br/>毎月"] --> A11["チャネルごとに同じ期間で並べ、◎○△✕ で判定する"]
    A11 --> H11["次の一手"]:::human
    H11 --> S11["定例レポート"]:::out
  end
  R1 --> R2 --> R3 --> R4 --> R5 --> R6 --> R7 --> R8 --> R9 --> R10 --> R11

ステップ 3AI エージェントで回す PDCA

黒い箱は人が決めるところ、オレンジの箱は承認を通るところ。ほかは AI エージェントが進めます。 抜けやすいのは Plan の最後です。成功と中止の条件と撤退ラインは、配信の前に書いておきます。結果を見てから基準を決めることはしません。
黒い箱は人が決めるところ、オレンジの箱は承認を通るところ。ほかは AI エージェントが進めます。 抜けやすいのは Plan の最後です。成功と中止の条件と撤退ラインは、配信の前に書いておきます。結果を見てから基準を決めることはしません。

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図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
mermaid
flowchart TB
  BK["ブランドナレッジ<br/>毎回の前提として渡す"] --> ANA["3C 分析<br/>出典つきで調べてから整理する"]
  ANA --> H1["【人】KSF を採る<br/>狙う層を 1 つ決める"]:::human
  H1 --> MED["媒体の候補を 2〜4 個に絞る<br/>同じ素材・同じ金額・同じ期間で比べる"]
  MED --> PLAN["計画シートを書く<br/>成功と中止の条件・撤退ライン・判定する日"]
  PLAN --> H2["【人】計画シートを確かめる<br/>始めたあとは基準を変えない"]:::human
  H2 --> G1("確認画面<br/>広告の作成・配信の開始"):::gate
  G1 --> RUN["配信・公開して数字を集める"]
  RUN --> JDG("判定する日に計算で判定<br/>勝ち / 負け / まだ分からない")
  JDG -->|"まだ分からない"| RUN
  JDG -->|"勝ち"| KEEP["型として一覧に入れる"]
  JDG -->|"負け"| LOG["記録に残す<br/>同じ案を二度試さない"]
  KEEP --> REP["定例レポート(毎月)<br/>チャネルを足さずに並べる"]
  LOG --> REP
  WATCH["定点観測・ブランドリスニング<br/>前回との差分だけを知らせる"] -->|"差分を材料にする"| ANA
  REP --> H3["【人】予算の配分と次の打ち手を決める"]:::human
  H3 -->|"△ ✕ のチャネルだけ深掘り"| ANA
段ごとの分担を表で見る
段AI がやること人が決めることSkill
Plan(計画)ブランドナレッジを前提に、調べてから 3C・KSF・訴求設計・媒体の候補を整理し、計画シートの下書きを作る目的と読み手、KSF の採否、狙う層、成功と中止の条件、撤退ライン市場・競合・自社の整理/媒体を選ぶ/実験で打ち手を確かめる
Do(実行)案出しと素材の準備、計画シートの記入。広告の作成と配信の開始は、確認画面で許可されてから計画シートの確認、配信・公開の許可媒体を選ぶ/実験で打ち手を確かめる
Check(確認)判定する日に実際の数字を計算で判定する。チャネルごとに同じ期間で並べ、定点観測の差分を出す—実験で打ち手を確かめる/定例レポート/ブランドリスニング
Act(改善)勝った案を型として一覧に入れ、負けた案も残す。△ か ✕ のチャネルだけを分析へ回す予算の配分、次の打ち手定例レポート/市場・競合・自社の整理

ステップ 4Skill の構成

入口の Skill が依頼を受けて、工程ごとの Skill へ振り分けます。矢印の文字は振り分ける条件。 入口は 2 つです。案件を始めるときは「市場・競合・自社の整理」から、毎月の振り返りは「定例レポート」から入ります。媒体選定・実験・分析へは、そこから回します。
入口の Skill が依頼を受けて、工程ごとの Skill へ振り分けます。矢印の文字は振り分ける条件。 入口は 2 つです。案件を始めるときは「市場・競合・自社の整理」から、毎月の振り返りは「定例レポート」から入ります。媒体選定・実験・分析へは、そこから回します。

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図の元になった mermaid を見る(AI エージェントにそのまま渡せます)
mermaid
flowchart TB
  R1(["事業の前提を整理して"]) --> BK["URL からブランドナレッジを作る<br/>最初に 1 回"]
  R2(["3C 分析をして"]) --> MPA["市場・競合・自社の整理<br/>入口"]
  BK -->|"前提になる"| MPA
  MPA -->|"訴求設計を流用する"| MS["媒体を選ぶ"]
  MS --> EXP["実験で打ち手を確かめる"]
  R3(["今月の数字をまとめて"]) --> MR["定例レポート<br/>入口"]
  EXP -->|"判定を引用する"| MR
  MR -.->|"△ ✕ のチャネルだけ"| MPA
  R4(["口コミを監視して"]) --> BL["ブランドリスニング"]
  R5(["トレンドに乗りたい"]) --> TW["トレンド便乗"]
  TW -.->|"案を渡すところで止まる"| POST("投稿の Skill<br/>確認画面で許可してから"):::gate
  CR["チャネルルーティング表<br/>何を最初に使い、何に切り替えるか"]
  MPA --> CR
  BL --> CR
  • URL からブランドナレッジを作る

    サイトを読んでブランドが何者かを短くまとめ、以後の企画・執筆・分析に毎回の前提として渡す

    中身を見る

    入力

    • 自社のサイトの URL

    手順

    1. トップページと主要な下層ページ(会社概要・サービス・料金・事例・よくある質問)を読む
    2. 事業・主要ターゲット・提供価値と強み・トンマナを 1 文ずつ書く
    3. 収益モデル、購買までの導線、いまの集客チャネルと訴求も整理する

    返すもの

    • ブランドナレッジ
    • 確認できなかった項目の一覧

    守ること

    • 事実だけを書く。課題・所見・提案は別の節に分ける
    • 推測や注記を混ぜない。確認できない項目は空欄にする
    • 数字・実績・資格はサイトの表現のまま写す
  • 入口市場・競合・自社の整理(3C 分析 → 訴求設計)

    3C から KSF・ポジショニング・WHO/WHAT/WHY/HOW まで書き進め、訴求と媒体の方向が決まるところまで具体にする

    中身を見る

    入力

    • 対象の商材
    • 目的
    • 読み手
    • ブランドナレッジ

    手順

    1. Web 調査で分かることは先に調べ、分からないときだけ人に聞く
    2. 統計は国 → 自治体 → エリア → 個店の順に積む
    3. 顧客を 2〜3 の人物像に分け、KBF を重要な順に並べる
    4. 競合を 5 階層で見て、空白に番号を付ける
    5. 自社の強みを 4 つのレイヤーで見る
    6. KSF を 3〜5 個に絞り、WHO → WHAT → WHY → HOW にまとめる

    返すもの

    • 3C の要約
    • 番号付きの空白
    • KSF と後回しにした候補
    • 訴求設計の表

    守ること

    • すべての表と数字に出典(使ったデータ・公表日・URL)を付ける
    • インタビューをしていない顧客の声を書かない
    • 強み・弱みは公開情報で確かめた事実だけ。推測には「仮説」と印を付ける
  • 媒体を選ぶ

    媒体を最初から 1 つに決めず、候補を絞って、同じ条件で比べる検証の計画まで作る

    中身を見る

    入力

    • 商材
    • 成果のゴール
    • 予算感
    • 訴求設計(3C を済ませていれば流用)

    手順

    1. 狙う関心度の層を 1 つに決める
    2. WHO / WHY / WHAT / HOW を整理する
    3. 候補を 2〜4 個に絞り、選んだ理由を 1〜2 文で書く
    4. 同じ素材・同じ金額・同じ期間で比べる計画と、撤退ラインを書く

    返すもの

    • 候補の媒体と理由
    • 検証の計画
    • 撤退ライン

    守ること

    • 年齢と性別だけで決めない
    • 利用者数を書くときは出典と時点を添える
    • 過去データが無い状態で自動ターゲティングから始めない
    • 広告の作成や配信はしない
  • 実験で打ち手を確かめる

    判定の基準は始める前に書き、公開後の実際の数字で勝ち負けを決める

    中身を見る

    入力

    • 伸ばす数字
    • 過去に勝った案と負けた案の一覧

    手順

    1. 伸ばす数字を 1 つ決め、お客さんが離れている段階を 1 つ選ぶ
    2. 案を出し、効果の大きさ・確かさ・やりやすさで順番を付ける
    3. 計画シートを書き、一度止まって人の確認を取る
    4. 判定する日に計算で判定する
    5. 勝った案も負けた案も記録に残す

    返すもの

    • 計画シート
    • 勝ち / 負け / まだ分からない の判定

    守ること

    • 判定の基準は、始めたあとに変えない
    • 1 パターンで変えるのは 1 か所だけ
    • 測れていない数字は「未取得」と書き、0 で埋めない
  • 入口定例レポート

    チャネルごとの数字を同じ期間で並べ、判定と次の一手まで 1 本にまとめる

    中身を見る

    入力

    • 各チャネルの実績
    • 目標
    • 前回のレポート

    手順

    1. 実際に数字が取れたチャネルだけを載せ、取れないものは「未取得」と書く
    2. チャネルごとに ◎○△✕ と理由を 1 行で書く
    3. 気になることを先頭に、期間・実際の数字・変化量で書く
    4. △ か ✕ のチャネルだけを、それぞれの分析の手順へ回す
    5. 末尾に次回のための数値表を残す

    返すもの

    • チャネル別の判定表
    • 次にやること 3 つまで
    • 次回のための数値表

    守ること

    • チャネルの数字を合計しない。広告費の合計から 1 件あたりの費用を出さない
    • 予約が 0 件なら 1 件あたりの費用は「—」と書く
    • 実験の勝ち負けは判定し直さず引用する
  • ブランドリスニング(口コミ・言及の定点監視)

    自社への口コミと言及を定点で集め、前回との差と要対応をまとめる

    中身を見る

    入力

    • 表記ゆれの一覧
    • 前回のレポートか記録シート

    手順

    1. 前回の数字を読み込む(無ければ「今回が初回」と書く)
    2. ひらがな・カタカナ・英字・略称・旧店名で検索する
    3. チャネルごとに件数・評点・新着を数える(数えるのはコード)
    4. 事実誤認・衛生や安全・返金やクレーム・複数チャネルに同じ話題、を要対応にする
    5. 要対応を先頭にしたレポートと、次回のための数値表を残す

    返すもの

    • 要対応・経過観察・活用の一覧
    • チャネル別の数字の表

    守ること

    • X・Instagram・TikTok の画面を自動で集めない
    • 開けなかったチャネルは「未取得」と書き、0 件と書かない
    • チャネルをまたいで件数を合算しない
    • 通知先を決めてから定期実行に載せる
  • トレンド便乗(見つける → 判定する → 投稿案)

    いまの話題を拾い、便乗してよいかを判定してから投稿案にする。投稿はしない

    中身を見る

    入力

    • ブランドナレッジ

    手順

    1. Yahoo!リアルタイム検索・Google トレンド・24〜72 時間に絞った Web 検索から話題を拾う
    2. 災害・事故・訃報・事件、係争中の話題、個人への攻撃、宗教・政治の対立には乗らない
    3. 「話題 × 自社の持ちネタ」を 1 行で書けない話題は案にしない
    4. 投稿案に、いつまでに出す価値があるかを添える
    5. 見送った話題も理由と一緒に残す

    返すもの

    • 投稿案
    • 見送った話題と理由

    守ること

    • 迷ったら乗らない
    • 案を人に渡すところで止める
    • 根拠の無い「話題になっているらしい」を前提にしない
  • チャネルルーティング表

    調べる目的ごとに、最初に使う手段と、使えないときの切り替え先を決めておく

    中身を見る

    入力

    • 調べる目的

    手順

    1. 目的ごとに第一手を使う(Web 検索・ページ取得・公式 API など)
    2. 使えなければ表のバックアップに切り替える
    3. どちらも使えなければ「未取得」と書く

    返すもの

    • 取得した情報と、使った経路

    守ること

    • ログインが要る SaaS の数字は取らない。エクスポートの持ち込みを頼む
    • Search Console・GA4・広告媒体の実績は API・MCP だけで取り、Web 側で代替しない
    • 社内情報のコネクタは読み取りだけにする

補足: 競合の定点観測で見る 6 つの項目

前回と比べられるのは、見る項目と取り方を固定したときだけです。毎回すべてを見なくてもかまいません。見なかった項目は「今回は対象外」、開けなかった項目は「未取得」と書かせます。

監視項目取り方差分で読むこと
サイト・料金ページ主要 URL の本文を取得し、前回保存した本文と突き合わせる値上げ・値下げ、訴求の変更、新メニュー
ニュース・PR期間を指定した Web 検索、プレスリリースの RSS拡大か撤退か
採用採用ページ・求人媒体の公開面(職種・拠点・件数)どこに投資しているか
広告人が広告ライブラリを開いて埋めた記録表新しいクリエイティブ、遷移先の変更
SNS人が画面で見て記録する、または公式 API運用の強化・放置、伸びた企画
口コミ口コミサイト・Google マップの公開面。低評価の本文を重点的に読む繰り返される不満 = 自社の差別化の余地

Meta・Instagram・TikTok は、画面の自動収集を規約で禁じています。広告は、人が広告ライブラリを開いて記録するか、広告データを API・MCP で提供する商用サービスから取ります。

このページは、コラム『マーケティングエンジニアの教科書』の 第 2 章「AI Agent の使いこなし方」・第 3 章「戦略設計を自動化する」 をもとにまとめたものです。