ドキュメント / 基本知識
ペルソナ分析の基本
アンケートの平均から出てくるのは、誰にも嫌われないが、誰の心も動かさない言葉です。 刺さる言葉は実在する 1 人を深く知るところからしか出てきません。 このページは AllRev の AI が「誰に・何を伝えるか」を決めるときに使っている手順と、 そこに入れてある指示です。
市場・競合まで含めた全体の整理は3C 分析の基本、 競合そのものの調べ方は競合リサーチの基本にあります。
なぜ 1 人から決めるのか
「20〜40 代女性」からは、広告の 1 行が出てきません。 属性のかたまりは誰かの平均であって、実在しないからです。 一方、実在する 1 人の「なぜ買ったか」には、必ず具体的な理由と、その人の言葉があります。 その言葉がそのまま訴求の原石になります。
- 年齢・性別・職業だけでなく、価値観・生活のリズム・口ぐせ・情報の集め方まで具体化します
- 自分と遠い相手は想像で埋めず、近い人に聞く・レビューや SNS を読み込むで補います
- その人にとって「うれしいこと」を 10 個ほど書き出してから絞ります
うれしさは「手に入る未来」であって、機能の言い換えではありません。 同じ機能でも、相手が変わればうれしさは変わります。 「軽い」はスペック、「片手で子どもを抱いたまま使える」がうれしさです。
「うれしさ」と「他にはなさ」の両方が要る
強い訴求は、この 2 つが揃ったところにしかありません。
| 他にはない | 他にもある | |
|---|---|---|
| うれしさがある | 強い訴求。ここだけが成長の原石 | 代えがきく。最後は価格で比べられる |
| うれしさがない | ひとりよがり。珍しいが売れない | 伝える意味がない |
そして訴求には 2 種類あります。商品そのもので差をつけるものと、 伝え方で差をつけるものです。 前者は本質的な差別化になりますが真似されやすく、 後者のほうが実は模倣されにくい、というのが定説です。 この 2 つは混ぜず、それぞれで案を出します。
お客さんを 5 つの層で見る
「新規」と「既存」の 2 つで考えると、打ち手が大雑把になります。 知っているか・買ったことがあるか・いま買っているかで分けると、やることが変わります。
| 層 | 状態 | 打ち手の方向 |
|---|---|---|
| よく買う人 | 高い頻度で購入。売上の大半を占めがち | 離さない・紹介してもらう |
| たまに買う人 | 低い頻度で購入 | 回数を増やす理由をつくる |
| 離れた人 | 以前は買っていた | 戻る余地があるか見極める |
| 知っているが買っていない人 | 認知はある | 買わない理由(障壁)を消す |
| 知らない人 | 認知なし | 気づいてもらう |
さらに「次も買いたいか」を「知らない人」を除く 4 層に掛け合わせると、「知らない人」と合わせて 9 つの箱になります。 同じ「たまに買う人」でも、前向きな人と消極的な人では送る言葉が変わります。 この分け方をしておくと、施策のあとに「どの箱からどの箱へ人が動いたか」で効果を見られます。
誰に聞くと収穫が多いか
各層から最低 1 名、できれば 2〜3 名。優先順位は次のとおりです。
- 1. よく買っている人 — なぜ続けているか、何が刺さったか
- 2. 離れたが、戻る気はある人 — なぜ離れたか、何があれば戻るか
- 3. 知っているのに買っていない人 — なぜ買わないか。広げたいならここが鍵(人数が多く、動かしやすい)
- 4. たまに買うが熱量の低い人 — なぜ熱が上がらないか
何を聞くか(5 つの転機)
「ふだんどう使っていますか」だけでは、当たり障りのない答えしか返りません。 気持ちが動いた瞬間を 5 つ、必ず押さえます。
- 初めて知ったとき — どこで、何で、なぜ印象に残ったか
- 初めて買った・使ったとき — 決め手、期待、実際どうだったか
- 2 回目に買ったとき — なぜまた買ったか
- やめたとき — 何があったか、代わりに何を使ったか
- 誰かに薦めたとき — 誰に、なんと言ったか、相手の反応は
それぞれの転機で「いつ・どこで・何が・どう思ったか・誰から」の 5 点を聞きます。 とくに「どう思ったか」が訴求になります。事実だけ集めても言葉は出てきません。
聞き方のコツ
- 台本を読み上げない。相手の発言を起点に深掘りします
- 「なぜ?」を繰り返す。最初の答えはたいてい建前です
- 「いつも」ではなく「最後に」を聞く。具体的な 1 回の話にしか本音は出ません
- 選ばなかったほうも聞く。比較検討の中身が見えます
- 沈黙を恐れない。考える時間を奪わないこと
- 発言はそのまま記録する。解釈を混ぜて書き取ると、原石の言葉が消えます
発言から訴求を取り出す
聞いた話は、次の 3 段で整理します。ここを飛ばすと「いい話を聞いた」で終わります。
| 段 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1. 発言 | 実際に言われた言葉、そのまま | 「子どもが寝てからしか自分の時間がなくて」 |
| 2. 気づき | その裏にある、本人も言語化していない要望 | 短時間で終わることそのものに価値がある |
| 3. 確かめること | 他の人にも当てはまるか。次の人に聞く | 同じ層の 2 人目・3 人目で再現するか |
1 人から 15〜20 個ほど拾えれば十分です。 そのうえで、「うれしさ」と「他にはなさ」が両方そろったものだけを残します。
どの移動を狙うか決める
最後に、どの層からどの層へ人を動かすのかを 1 つ決めます。ここで打ち手が決まります。
| 狙う移動 | 打ち手の方向 |
|---|---|
| 知っているが買っていない → 買う | 買わない理由を消す広告。いちばん動かしやすい |
| 離れた人 → 戻る | 「以前お使いだった方へ」の訴求、変わった点の告知 |
| たまに買う → よく買う | 継続の特典、定期便、思い出してもらう仕組み |
| 知らない → 知る | 認知目的の動画・アカウント運用 |
| 知っているが興味なし → 興味あり | 訴求を変える。誤解されている価値を言い直す |
AI に入れてある指示
- ターゲットを属性の括りで止めない。1 人まで具体化する
- うれしさは「手に入る未来」で書く。機能の言い換えを並べない
- 「うれしさ」と「他にはなさ」が両方そろったものだけを訴求候補にする
- 商品そのものの訴求と、伝え方の訴求を分けて出す
- 聞き取りの記録は、発言・気づき・確かめること、の 3 段で残す。発言に解釈を混ぜない
- 質問する前に、まず調べる。公開情報・レビュー・過去の成果物で分かることを聞き返さない
- それでも分からない前提は、仮置きしたうえで「これは仮定です」と明記して先へ進む。聞き返して止まらない
- インタビューをしていないのに、したかのように書かない。推定で作った人物像は、推定と明記する
頼むときの言い方
- 「うちのお客さん像を、想定できる範囲で 3 人ぶん作ってください」
- 「既存のお客さんに聞くための質問票を作ってください」
- 「このアンケートの自由記述を、悩みごとに分類してください」
- 「いただいた声から、広告に使えそうな言葉を抜き出してください」
AI がやらないこと
- 実在しないお客さんの声を作りません。推定で組んだ人物像は、そうと分かるように書きます
- 聞いていないことを聞いたことにしません
- 個人が特定できる情報を成果物に載せません